COVID-19 マスクプロジェクト

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、OOYOO は私たちにできる最善の形:膜とフィルターの製造に関する専門知識を提供する、という形での支援活動を行なっています。

OOYOOは、インドネシア・バリ島に拠点を置き、支援が届きにくい世界中の貧困地域、ラストマイルの人々に適正技術(テクノロジー)を届ける活動を行っているNGO団体、コペルニクと協力して支援活動を行なっています。現在、インドネシアではこの危機の最前線にいる医療従事者のための保護具が不足しています。この状況を受け、OOYOOはコペルニクと協力して、マスクや人工呼吸器を供給する支援を行っています。

 

インドネシアでは、入手できるマスクが限られているだけでなく、現地でマスクを製造するための材料が不足しています。そのため、 マスクの供給を補うためには、現地で入手及び製造が可能なフィルター材料を開発する事が必要不可欠です。

OOYOO では京都大学と慶應義塾大学の研究者達の協力のもと、この問題を解決するため、バリのコペルニクが現地で使用できる代替マスク材料を作るプロセスを開発しています。

目標

新型コロナウイルスの拡散を防ぐために一般的に使用されているマスクには2つのタイプがあります。 医療従事者用の保護具(PPE)として使われている代表的なマスクは、N95と言われるマスクです。 このマスクの最も重要な特性は、0.3ミクロン(またはそれ以上)のサイズの粒子の95%をろ過することです。 また、顔の周りにシールを形成し、吸い込まれる前に空気が確実にろ過されるようにします。

その次に医療現場でよく使われているタイプのマスクは、一般で最も使用されているサージカルマスクです。サージカルマスクが着用者をいかに効果的に保護するかについては意見が分かれていますが、細菌が着用者から他者に広がるのを減らすのに効果的であると考えられています。

マスクプロジェクトの目標は、一般的なサージカルマスクが持つ機能の限界を打ち破り、N95マスクの機能にできるだけ近づけるプロセスを開発することです。

開発進捗

コペルニクとのマスクフィルタープロジェクトを開始したのは4月の初めですが、その開発は非常に速いスピードで進んでいます。 OOYOOは、3Dプリンターによるマスク製作からフェイスシールド、フィルター製造まで、多くのアイデアを模索しています。 フィルター素材に重点を置いて開発を進める一方で、そこから多くのアイデアが生まれ、別のプロジェクトへも展開されています。

プロジェクト開始以来、私たちは候補となる多種多様なフィルター材料の調査を行い、5月中旬には少数のフィルター材料に開発候補を絞り込みました。

5月中旬から6月にかけてはスケールアップに向け、個別シートでの開発を開始しました。私たちはこの段階で、信頼性が高く優れた結果を生み出すディッピングとスプレーコーティングの組み合わせを見つけることに成功しました。

通常、多くの課題を伴うスケールアップの準備が整った6月、 私たちは、異例のスピードで大規模なディップ/スプレープロセス用のカスタム機器の作成・開発に成功しました。 それ以来、私たちは能力を高めながら急速に開発を進め、今やパイロット規模でマスクフィルターを製造する準備ができています。

開発の大きな節目として、6月の終わりに私たちが開発・製造したマスクフィルターの最初のロールをバリ島のコペルニクに送りました。

現在、コペルニクはインドネシア・バリ島で、私たちの開発したフィルター材料を用いた、フィルターを毎日交換する事ができて再利用可能なマスクを製造しています。

今後の活動

コペルニクにフィルター素材の提供を行うとともに、マスクを日々着実に改善していきます。新型コロナウイルスの感染拡大の収束後も、依然として火山活動の活発化や森林火災による健康被害が深刻な問題となっているインドネシアにおいて、再利用可能なマスクは不可欠です。私たちの開発は地元の製造業者と共有され、必要なときにフィルター材料を供給し続けることが可能となります。

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